Beginners' Guide/Extra (日本語)
Contents
インストールのその先
あなたの新しい Arch Linux ベースシステムは今、あなたの目的や希望のために必要な全てを入れる準備ができた GNU/Linux になっています。殆どの人は、サウンドとグラフィックをそなえたデスクトップ環境に興味があるでしょう: ガイドのこのパートでは、これらの追加的要素を使うための、簡単な概要を記述します。
ユーザー管理
ユーザー管理で記述されているようにして必要なユーザーアカウントを追加してください。通常の利用に root アカウントを使ったり、サーバーの SSH から root が見えるのは得策とは言えません。root アカウントは管理業務だけに使われるべきです。Linux 初心者ならば、あなたの新しいシステムに入っているコアユーティリティを知っておくと役に立つかもしれません。
例えば bash をログインシェルに指定して archie
という名前のユーザーを追加:
# useradd -m -g users -G wheel -s /bin/bash archie
パッケージ管理
Pacman が Arch Linux のパッケージマネージャ (package manager) です。pacman (日本語) や FAQ (日本語)#パッケージ管理 を見て、インストール・アップデート・パッケージ管理について学んで下さい。
Arch Linux x86_64 をインストールした場合、32ビットのアプリケーションを使うために [multilib] リポジトリを有効にできます。
それぞれのリポジトリの役割については Official Repositories (日本語) を見て下さい。
サービス管理
Arch Linux はシステムとサービスの管理に systemd を init として使っています。あなたの Arch Linux をメンテナンスするのに、systemd について基本的なことを知っておくべきです。systemd を使うときには systemctl
コマンドを使います。 systemd (日本語)#systemctl の基本的な使い方 を読んで下さい。
サウンド
ALSA は箱から出してすぐ使える状態になっています。アンミュートするだけです。alsa-utils をインストール (alsamixer
が入っています) してこの記事を読んで下さい。
最初にカーネルに含まれている ALSA を試すことをおすすめします。もし、ALSA が動かないときは OSS を代わりに使うことができます。より上級者向けのオーディオを求めるならば、Sound system (日本語) を見て様々な記事の概要を一読しましょう。
グラフィカルユーザーインターフェース
X のインストール
X Window System (X11 または X) はネットワークとディスプレイのプロトコルであり、ビットマップディスプレイでのウィンドウ環境を提供します。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を構成するための標準のツールキットとプロトコルが備わっています。
ベースの xorg パッケージのインストール:
# pacman -S xorg-server xorg-server-utils xorg-xinit
3D サポートのための mesa をインストール:
# pacman -S mesa
ビデオドライバのインストール
あなたのマシンにどのビデオ・チップセットが載っているのかわからないときは:
$ lspci | grep VGA
オープンソース・ビデオドライバ全ての一覧を見るために、パッケージ・データベースを検索:
$ pacman -Ss xf86-video | less
vesa
は一般的な mode-setting ドライバです。ほとんどの GPU で動きますが、2D 又は 3D アクセラレーションは全くありません。より良いドライバが見つからなかったり、ロードできなかった場合、Xorg は vesa ドライバに戻ります。インストールするには:
# pacman -S xf86-video-vesa
GPU が持っているビデオアクセラレーション機能を働かせるには、正しいビデオドライバが必要です。よく使われるビデオドライバーの表がある Xorg (日本語)#ドライバーのインストール を見て下さい。
インプットドライバのインストール
Udev が問題なくハードウェアを認識することができるはずです。evdev
ドライバ (xf86-input-evdev) は近代的なホットプラグ・インプットドライバであり、ほぼ全てのデバイスに対応しているので、ほとんどの場合インプットドライバのインストールは不要です。evdev
は xorg-server パッケージの依存として既にインストールされているはずです。
ラップトップユーザー(やタッチスクリーンを持っている人)はタッチパッドやタッチスクリーンを動かすのに xf86-input-synaptics パッケージが必要です:
# pacman -S xf86-input-synaptics
タッチパッドに関するチューニングやトラブルシューティングの解説は、Touchpad Synaptics (日本語) を参照してください。
X の設定
Xorg が自動検出するので、xorg.conf
の設定なしでも動作します。手動で X サーバーを設定したいならば、wiki の Xorg のページを読みましょう。
ここで標準の US キーボードを使っていないときは、キーボードレイアウトを設定することができます。
/etc/X11/xorg.conf.d/10-keyboard.conf
Section "InputClass" Identifier "Keyboard Defaults" MatchIsKeyboard "yes" Option "XkbLayout" "jp" EndSection
X のテスト
デフォルト環境のインストール:
# pacman -S xorg-twm xorg-xclock xterm
Xorg を非 root ユーザを作る前にインストールしたときは、.xinitrc
ファイルのテンプレートが home ディレクトリに作られるので、削除するかコメントアウトする必要があります。単純に削除すると、 X は上でインストールしたデフォルト環境で動作します。
$ rm ~/.xinitrc
(テスト) Xorg セッションを起動させましょう:
$ startx
複数の移動可能なウィンドウが現われ、マウスも動くはずです。X のインストールの成功に満足したら、exit
コマンドをプロンプトに入力して X を終了できます。
$ exit
スクリーンが真っ暗になった場合、異なるバーチャルコンソールにスイッチした (例えば Ctrl+Alt+F2
)、もしくはやみくもに root でログインした可能性があります。同じ事は "root" と入力して (その後 Enter
を押す)、root パスワードを入力すればできます(同じく、入力後に Enter
)。
X サーバーをキルしたくなった時は:
# pkill X
これで終了しないときは、しかたがないので再起動しましょう:
# reboot
トラブルシューティング
問題が発生した時は、Xorg.0.log
のエラーを見ましょう。エラー(error)をあらわす (EE)
で始まる行や、他の問題を示すウォーニング(warning)を意味する (WW)
の行を見て下さい。
$ grep EE /var/log/Xorg.0.log
Xorg の記事を見た後もトラブルが治らず、Arch Linux フォーラムや IRC チャンネルで助けを求めるときは、wgetpaste をインストールして使うようにしましょう:
# pacman -S wgetpaste $ wgetpaste ~/.xinitrc $ wgetpaste /etc/X11/xorg.conf $ wgetpaste /var/log/Xorg.0.log
フォント
初めから入っている、スケールしないビットマップフォントだけでは飽きたらず、TrueType フォントのセットをインストールしたくなったかもしれません。DejaVu はハイクオリティな一般用途向けのフォントセットで、Unicode をほぼカバーしています:
# pacman -S ttf-dejavu
フォントレンダリングの設定やフォントのインストールについてはフォント設定やフォントを参照してください。
グラフィカルインターフェースの選択とインストール
X Window System はグラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を作るための標準フレームワークを提供しています。
- ウィンドウマネージャ (Window Manager,WM) は X Window System と連携してアプリケーション・ウィンドウの配置と外観をコントロールします。
- デスクトップ環境 (Desktop Environment,DE) は X と連携して動作し、機能的で動的な GUI の完全な供給を行います。DE は典型的にウィンドウマネージャ、アイコン、アップレット、ウィンドウ、ツールバー、フォルダー、壁紙、アプリケーション・スイート、ドラッグ・ドロップなどの機能などを持っています。
xorg-xinit
の startx
を使って X を起動するのに代わる方法があります。ディスプレイマネージャを使う方法はディスプレイマネージャを見て下さい。既存の仮想端末をディスプレイマネージャとして機能させるには Start X at Login (日本語) を見て下さい。
付録
あなたの興味を引くであろうアプリケーションの一覧は、List of Applications (日本語) を参照。
タッチパッドやフォントレンダリングの設定のようなインストール後のチュートリアルは General Recommendations (日本語) を参照。